日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
「人工呼吸器離脱プロトコル」の有効性の検証
竹下 智美清村 紀子竹中 隆一松成 修黒澤 慶子塚本 菜穂坂本 照夫重光 修
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 17 巻 p. 31-43

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抄録

【目的】本研究は,「人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル」(以下,「人工呼吸器離脱プロトコル」)の有効性を検証することを目的とする.

【方法】介入研究(前後比較).介入群:2017年5~10月にA大学病院高度救命救急センターICU(以下,ICU)に入院し24時間以上人工呼吸療法を必要とした18歳以上の患者.コントロール群:2013~2017年の5~10月にICUに入院した介入群と同条件の患者.介入群に「人工呼吸器離脱プロトコル」を用いた介入を実施した.

【結果】離脱の成功は介入群93.3%,コントロール群87.9%.人工呼吸器離脱時間の中央値(四分位範囲)は介入群2.0時間(1.5~24.7),コントロール群20.0時間(5.0~57.0),p=0.038と有意差を認めた.人工呼吸期間,ICU入室期間に統計学的有意差は認めなかった.

【考察・結論】「人工呼吸器離脱プロトコル」の使用により,人工呼吸器離脱時間の有意な短縮を認めた.人工呼吸期間に差はなかった.安全性において2群に差はなく,有効な方法であることが示唆された.

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© 2021 日本クリティカルケア看護学会
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