2021 年 17 巻 p. 89-97
【目的】ICUにおける人工呼吸患者の苦痛に対する看護実践を明らかにする.
【方法】ICUで人工呼吸患者を受けもつ看護師6名を対象に2019年10 ~12月の期間に,半構造化面接と参加観察を実施し質的記述的に分析した.
【結果】人工呼吸患者の苦痛に対する看護実践は,【意思疎通が図れない苦痛の理解】【孤独感や不安の推察】【苦痛を引き出すコミュニケーション】【日常の感覚を再起させる促し】【現実認識を促す働きかけ】【安らぎや心地よさの提供】と,6つのカテゴリで構成された.
【結論】ICUの看護実践は,全人的な視点から苦痛を推察し判断するという認識の下に,人工呼吸患者の安楽や回復を視野に入れて,苦痛緩和を促す看護ケアの現象が明らかとなった.なかでも【現実認識を促す働きかけ】や【安らぎや心地よさの提供】の具体的な看護ケアは,人工呼吸患者の苦痛のニーズを満たす重要な援助であることが示された.