2023 年 19 巻 p. 36-46
本研究は,成人期以降にある患者とその家族に対して新人救急看護師がエンド・オブ・ライフケアを行う際に抱く困難感を明らかにすることを目的とした.6名の新人救急看護師に半構造化インタビューを行い,質的帰納的に分析した.
分析の結果,92コード,16サブカテゴリーから【救命から看取りへの方向転換に自分を沿わせることの難しさ】,【苦痛を伴う治療方針への割り切れなさ】,【患者に対応する際の自分自身の判断と技術への悩み】,【先輩看護師の言動に対するやるせなさ】,【患者と家族が死への過程でどのように時を過ごしたいのか考え,援助することの難しさ】の5カテゴリーが抽出された.
本研究の結果から,新人救急看護師ならではのエンド・オブ・ライフケアを行う際に抱く困難感として,[苦痛を伴う治療方針に対して割り切れない],[自分の行為をきっかけに患者の病状が悪化することが怖い]という思いを抱いていたことが明らかとなった.