抄録
2003 年,食道がん術後患者に対し,午前中の補光を実施したところ,せん妄発症率の低下および早期離床効果が示された.また,同時計測していた直腸温の周期的変動は,補光後に安定化傾向が示された.しかし,サンプル数が少なく補光効果を裏付けるまでに至らなかった.そこで,今回,約 1 年にわたり,ICU 入室患者の直腸温計測を実施した.さらに,対象の状態から回復群,小康状態群,死亡群の 3 群に分け,三角関数あてはめによる最小自乗法を用いて解析した.
健常人が示す直腸温の周期的変動は,相関係数 R>0.7,カイ二乗平均自乗誤差<0.1,振幅>0.3 である.この指標をもとにリズム特性を評価したところ回復群で最も明確なリズム性が示された.しかし,周期については,3 群とも 24 時間からの乖離が認められた.治療別に見ると手術療法後は,周期に著しいバラツキはあるが順調な回復を遂げていた.これらの要因として,同調因子の少ない入院環境や手術・麻酔侵襲が影響しているのではないかと考える.