抄録
本研究の目的は,看護師が観察したこと,アセスメントしたことがどのくらい記録されているのかを,参加観察と記録調査および面接により明らかにすることである.対象は全身麻酔下で手術を受けた消化器疾患患者に対して看護行為を行った看護師 10 名(25.2±2.0 歳)とその患者 8 名(71.0±5.9 歳).参加観察法を用いて看護行為を観察し,その時間帯の呼吸・循環系の情報とアセスメントに関する看護記録を調査・分析し,各々の記載率を計算した.記載内容については,面接法で看護師へ確認し,記載した/記載しなかった根拠と理由をカテゴリー化した.情報のほうがアセスメントより記載されている割合が高かった(情報の記載率 61.8±16.0%,アセスメントの記載率 29.9±22.0%).情報およびアセスメントは,継続したケアや治療方針を残すために記録されていたが,問題状況ではないと記録に残されない傾向があった.これは正常であるという看護師の判断が記録に残りにくい状況があり,今後の課題であることが見いだされた.