日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
手術中待機している家族への支援
―術中訪問の現状と課題―
矢野 紀子中西 純子
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キーワード: 家族, 手術, 支援, 術中訪問
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2008 年 4 巻 2 号 p. 37-44

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抄録
本研究では,術中訪問がどのように行われているのか現状を把握し,その成果と術中訪問を導入するための課題について明らかにすることを目的に調査を行った.麻酔科のある 300 床以上の 975 施設を対象に無記名自記式質問紙郵送法で行った.期間は 2006 年 1~2 月.倫理的配慮として,質問紙には調査目的や自由参加であり,得られたデータは施設の特定をしないことなどを明記した文書を添付した.また研究者の所属組織の倫理委員会の承認を得た.回収数は 556(回収率 57.1%)であった.術中訪問を実施している施設は 42(7.6%),実施していない施設は 508(91.4%)であった.現時点で術中訪問を実施している施設は 1 割に満たないが,術中訪問を行うことで家族のニーズに応えられるとともに,看護師の充実感があり,意欲向上が得られたと,看護師側にとっての成果も生み出していた.術中訪問を導入するためには,医師や医療スタッフの意識の啓発と協力を得ることが課題である.
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© 2008 日本クリティカルケア看護学会
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