2010 年 6 巻 3 号 p. 16-25
未破裂脳動脈瘤(以下UIAとする)に対する血管内手術を受けた患者19名を対象とし,UIAにより血管内手術を受けた患者の体験を明らかにし,看護支援のあり方を検討した.縦断群:退院前,手術後1カ月,3カ月,横断群:手術後1~1.5年の時期に,半構成的面接を行い,解釈的現象学を参考に分析した.その結果,5つの時期が抽出され,体験した不確かさ,受け止め・対処,意味づけの3側面が抽出された.各時期に異なる不確かさを体験していた.診断期には体験した不確かさの側面にのみテーマが存在しており,治療選択期では受け止め・対処の側面に多くのテーマが出現した.治療期においては,不確かさから一時的に解放された.その後,日常性の取り戻し期・再治療選択期に至ると意味づけの側面のテーマが増していた.UIAにより血管内手術を受けるということは不確かさが常につきまとい,診断・治療も繰り返される可能性があるという現実を受け入れ,患者が自分で意思決定し意味を見出していけるように支援する必要がある.