日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
原著論文
矯正治療における歯周病学的配慮について
三宅 正純香宗我部 亜人
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 29 巻 4 号 p. 290-297

詳細
抄録
歯周病と全身疾患との関係が示されているが,歯周病と不正咬合や矯正治療との有意な相関性は見いだされていない1).しかし,矯正治療はポケットを作り,歯肉退縮や骨欠損を誘発してしまう恐れがある.特に成人における矯正治療は,成長が止まっているという特性から歯周組織を配慮して治療に当たらなければならない.咬合が歯周病を発症させることはないとされているが,近心傾斜歯は近心にプラークが付着し,ポケットを形成して骨喪失させる.矯正治療を行うにあたって,矯正治療は医原病を誘発させる可能性があるということ考慮し,骨の付着や喪失,歯周ポケット形成を最小限に食い止めるために歯周組織に配慮して治療を行う必要がある2)
著者関連情報
© 2009 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top