日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
29 巻 , 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
原著論文
  • —より精密なフレームの製作法—
    鈴木 仙一, 佐藤 明寿, 福岡 幸伸, 川口 和子
    2009 年 29 巻 4 号 p. 236-241
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    CAD/CAM の発達により,精密なフレームの製作が可能になってきた.しかし精密なフレームを製作するには,精密な作業模型の製作が必須であり,CAD/CAM システムによる 一体型フレームにジルコニアを用いる場合には,特に大切である.フレームワークにおいて,従来の作業模型の製作方法では,作業過程における誤差などにより,口腔内に適合しないことがある.その場合には,フレームを個々に切断し,鋳造フレームではろう着,チタンフレームではレーザー溶接にて接合してフレーム再製作を行うことがある.しかし,ジルコニアフレームが不適の場合には,接合する手段がなく一から再製しなければならない.そのため,より精密な作業模型が求められる. また,本方法により3 つのメリットが考えられる.1 つ目はポジショニングのステップを 加えることにより,従来どおりに製作したレジンフレームが適合していたかどうか確認でき ることであり,2 つ目は,ブロック別にするため,最終印象で生じたミスを補正できるとい うことである.このことは最終的にフレームが完成したときに不適合だった場合に,鋳造フレームやチタンフレームを切断する工程を先付けして念のために行っているようなものであ る.3 つ目はストローを用いることにより,印象材の弾性による印象に石膏を注入した時の重さによる変形や,石膏の硬化膨張による変形を阻止できる.また,方法4 や7 で使用する パターンレジンの量を極力少なくして変形を抑えることにより,再現性のある作業模型を得ることができた.
  • —SHILLA SYSTEMとツインテーブル・テクニックを活用して—
    高橋 徹次
    2009 年 29 巻 4 号 p. 242-251
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    今日,歯科技術の発展にはすばらしいものがある.とくに再生療法の進歩により,以前は不可能であった治療が可能になってきた.私たちはとかく新しい技術に目を奪われがちである.しかし,われわれ歯科医師の究極目的は全身の健康を図るべく,機能・審美的にすぐれた咀嚼器を確立することであり,その中で新しい技術をいかに活用していくかが重要である.本稿では,顎機能障害を有する患者に対して,生体の正中矢状面と咬合器の正中矢状面を合致させた咬合器付着を行い,良好な咬合を得るために咬頭傾斜の標準値を再現することによって顎機能障害を改善し,咬合再構築を行ったインプラント症例を報告する.
  • ―描記図の定量的評価とゴシックアーチスコアによる形態的評価との関連について―
    齋藤 善広
    2009 年 29 巻 4 号 p. 252-265
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は,臨床におけるゴシックアーチ(以下GoA)とタッピングポイント (以下TP)記録を定量的ならびに形態的に評価し,義歯の調整回数とともに統計的に分析し, その関連について検討することである. 方法:11 年間の臨床におけるタッピング(以下Ta)法を併用したGoA 描記法(Active 法)によって得られた161 の描記記録について,定量的にはアペックス(以下Ap)とTP 間距離,各線分の長さと角度の計測をおこなって評価し,形態的には新たに考案したGoA スコア法により図形の乱れの程度を評価した.そして,Ap/TP 間距離によって4 つの群に分類し, 義歯の調整回数とともに統計的に分析した. 結果:①A 群(0 -0.9mm)40.4%(65 名),B 群(1.0 -1.9mm)29.8%(48 名),C 群(2.0 -mm)22.4%(36 名),D 群(TP のみ)7.4%(12 名)で,A 群でAp とTP が一致したものは65 名中21 名で,全体の13.0%であった.②前方運動量と③側方運動量では,各群にいずれも有意差はなかった.④Ap からの左右側方運動路のなす展開角は,平均113.54 ± 7.91°(n =161)で各群間での有意差はなかった.⑤TP からの左右側方運動路のなす展開角は,A 群119.51 ± 9.07°,B 群121.83 ± 9.16°,C 群138.42 ± 21.06°で,C群はA 群,B 群に対して有意差が認められた(P <0.05).⑥GoA スコアは,A 群4.2 ± 2.37,B 群6.01 ± 2.50,C 群7.52 ± 1.93 となり,各群間で有意差が認められた(A -B・B - C 間でp<0.05,A -C 間でp <0.01).⑦義歯の調整回数は,全体の平均が2.38 ± 1.64 回,A 群2.28 ± 1.64 回,B 群2.92 ± 1.78 回,C 群1.83 ± 1.12 回,D 群1.41 ± 0.76 回で,B 群とC 群,D 群では有意差が認められた(p <0.05). 結論:Ap/TP 間距離が増してもAp からの前方運動量と側方運動量と展開角には差が生じず,顎関節の機能的運動範囲には差がないことが示唆された.一方,TP からの運動は中間運動 域となり前方および側方運動量は相対的に減少することが示唆され,展開角は広くなり偏差 も大きくなっていた.Ap/TP 間距離が増すに従って,GoA スコアは増加し,描記障害の程度が増加していた.また,Ap/TP 間距離が1.0-1.9mm のB群で義歯の調整回数が増加していたが,他の群と比較した場合でも実際の臨床においては1 ~2 回の義歯調整回数の増加と して見込まれると考えられた. Ap/TP 間距離の増加やGoA スコアの増加があった場合には,顎関節の器質的な変化と神経筋機構の不調が生じていると考えられるが,咬合採得位としてのTP を適切に診断するこ とで一定の予後が見込めることが示唆された. したがって,咬合採得位としての適正なTP を診断するために,TP 法を併用したGoA 描記法(Active 法)を行うことは臨床的に意義があると考えられた.
  • 山田 啓二
    2009 年 29 巻 4 号 p. 266-275
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    根管充填法においては,複雑な形態を有する根管系を3 次元的に緊密に充填することが重要とされている。その有効な根管充填システムとして熱可塑性根管充填(TP-RCF)が紹介され,早30 年余年が経過した.当院においても長年,感染根管治療にTP-RCF をお こなってきた. 本稿においては,通常臨床でおこなっているTP-RCF 法と側方加圧根管充填(LC-RCF) 法を実習用模型や同様の手法で形成・洗浄した抜去歯牙を用いて,根管填塞性を比較した. 根尖病巣をもつ感染根管の両根管充填法による長期予後症例においては,X 線所見による根尖病変の縮小や治癒を比較検討した.その結果,より緊密に填塞されているTC-RCF 法による根管のほうが根尖病変はより良い治癒を示していた.
  • 安光 秀人, 神田 省吾, 桑原 明彦, 山上 哲贒
    2009 年 29 巻 4 号 p. 276-289
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    近年,インプラント治療はかなり予知性が高くなってきた.一方デンタルインプラントは義歯に比べ機能的・審美的回復が可能になってきたが,治療期間の長さがリスクとしてあげられる. またわれわれ,日本人(モンゴロイド)の上顎前歯部においては元来唇側歯槽骨が薄いために,抜歯後の治癒過程で唇側の歯槽骨吸収をともない,その結果審美的回復が困難となることが多く,下顎臼歯部においても頬側の骨欠損がインプラント埋入後の予後に影響をおよぼしている. そこで今回インプラントの埋入を抜歯と同時に行うことにより,治療期間の短縮および経時的な骨吸収の回避が可能となり,審美的・機能的に良好な結果を得た2 症例の概要を報告する.さらに当院外来において2004 年4 月~2007 年12 月までの過去3 年8 ヵ月間に抜歯即時インプラントを行った患者22 名 (男性5 名,女性17 名) について臨床的検討を行った.上下顎合計で29 本埋入し残存率は96.6%であった.抜歯即時埋入によるインプラント治療は適切な審査・診断およびメインテナンスが行なわれることにより,欠損補綴の1 つとして有用な治療法であることが示唆された.
  • 三宅 正純, 香宗我部 亜人
    2009 年 29 巻 4 号 p. 290-297
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    歯周病と全身疾患との関係が示されているが,歯周病と不正咬合や矯正治療との有意な相関性は見いだされていない1).しかし,矯正治療はポケットを作り,歯肉退縮や骨欠損を誘発してしまう恐れがある.特に成人における矯正治療は,成長が止まっているという特性から歯周組織を配慮して治療に当たらなければならない.咬合が歯周病を発症させることはないとされているが,近心傾斜歯は近心にプラークが付着し,ポケットを形成して骨喪失させる.矯正治療を行うにあたって,矯正治療は医原病を誘発させる可能性があるということ考慮し,骨の付着や喪失,歯周ポケット形成を最小限に食い止めるために歯周組織に配慮して治療を行う必要がある2)
  • 清水 浩明
    2009 年 29 巻 4 号 p. 298-307
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    審美性を重視し,最小の患者負担と最大の治療結果が求められる近年の矯正歯科臨床において,テンポラリーアンカレッジディバイスおよびスケルタルアンカレッジは,従来の顎外固定装置に代わる加強固定のみならず,また垂直的移動,水平的移動の固定源として臨床応用が幅広く行われており,患者の協力に左右されない予知性の高い治療法として確立されてきている.しかしながら,インプラントを使用した治療は,診断,治療ゴールの設定,それを可能にする治療手順などが未解決となっており,本稿ではⅢ級症例の審美性の高い治療結果,および審美的なゴールの設定を含む診断方法,バイオメカニックスから治療手順について考察を加えた.
  • 仲筋 宣子
    2009 年 29 巻 4 号 p. 308-313
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    クリアアライナーは,従来のブラケットを使用した矯正治療が受け入れられないようなケースにおいては,審美的でなおかつ簡易であるため,患者にとって受け入れやすい矯正治療として注目されている. 当医院では,クリアアライナーを使用している患者には,クリアアライナーに必要な1 日17 時間以上の装着時間の中で連続2 時間のみ(2 週間)ブリーチングトレーとして併用することを勧めている.それにより,矯正治療とホワイトニングを同時に行うことができる. また,ホームホワイトニングのトレーを別途に製作する必要がないため,コストの削減につながる.さらに,ホームホワイト二ングの利点である歯科医院への通院回数を減らすことも可能になり,患者満足度の向上が得られた. 今回は,当医院で製作した本治療法に対して患者からアンケートをとった.実際の症例とともにアンケートの結果について解説したい.
症例報告
連載
  • 「顎運動と顎機能診断のツボ」
    普光江 洋
    2009 年 29 巻 4 号 p. 320-325
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    咬合学は臨床家にはとっつきにくい学問と思われがちですが,決して難しいものではありません.正常な咬合を有しているすべての人が,すでに有している機能を科学することで機能不全に陥った患者さんを治療する,あるいはその前段階で病気を食い止めようという学問です. 有歯顎の治療はもちろんのこと,義歯の咬合,近年はインプラント治療における上部構造物の咬合の与え方が,その予後を左右することは異論を挟むことのない事実となっています. かつて,咬合学は難解な学問でしたが,それは咬合のメカニズムを機械的に構築し論理づける,という長く根気のいる時代が背景にあったからです.しかし,現代では先人と同じ苦労をする必 要はありません.いま,目の前にある結果と,必要最小限のテクニックを身に付けることで,咬合を自分のものにできます. 前回の咬合教室では「What is the Reference position & Treatment planning for the malocclusion?」と題して,「基準位」をどのように考え,治療計画に活かしていくのか,その方法を中心にまとめてみたのですが,3時限目の今回は下顎運動とその診断です.下顎運動の基本を知っていなければ咬合治療を行うことはできません.今回は下顎運動が咬合面形態とどのような関係にあるのかといったところまで一歩踏み込んで,顎機能診断を咬合治療に生かすための基礎知識を学ぶ時間にしたいと思います.
  • -器具・器材応用した彎曲根管の考え方とその処置法- その②
    山田 國晶, 番匠 千津, 三木 隆寛
    2009 年 29 巻 4 号 p. 326-330
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
  • その4 鋳造および適合
    矢野 伸年
    2009 年 29 巻 4 号 p. 331-335
    発行日: 2009/11/24
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
feedback
Top