日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
インターディシプリナリーアプローチにより審美性の改善を図った骨格性下顎前突症例
本多 正剛
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2013 年 33 巻 1-2 号 p. 85-94

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抄録

患者は審美障害を主訴とし, 当医院には一般歯科医からの紹介により来院し, 現状では歯冠修復に必要なスペースの欠如があり, 補綴物の装着が不可能であることから矯正治療の依頼を受けた. 当医院で診断用資料を採得し各種分析の結果, 外科的矯正と矯正治療単独のボーダーライン症例と診断し, 補綴医との相談の結果, 矯正治療後に補綴治療にて咬合関係の補正を行い, 外科的矯正治療を避けることとした. 矯正治療後にインプラント補綴が必要であり, 前歯部においては施術前に診断した中切歯のスペースを的確に確保できた. このような矯正治療と補綴治療が必要な症例においては, 綿密な治療計画が必要である. 歯の移動の限界を考慮したうえでVTO によるシミュレーションで治療計画を立案し, 矯正治療単独ではなく補綴治療と連携したインターディシプリナリー治療により, 咬合の安定と審美性の改善を図ったので報告する.【顎咬合誌 33(1・2):85-94,2013】

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© 2013 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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