日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
矯正用ボンディングベースを利用した 固定装置の製作法と長期経過
谷本 幸司細井 勤
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2013 年 33 巻 1-2 号 p. 75-84

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抄録
エナメル質は生体の中で最も硬い組織であり,傷つければ二度と再生しない組織である.歯を切削する処置を考える場合には,切削器具を手にする前にその得失を十分に検討するべきである.矯正後の保定や小範囲の欠損に対し,また二次性咬合性外傷の防止のために,矯正用ボンディングベースを加工した装置を使用するようになって20 年以上を経過する.舌側面に応用する装置とはいえ,金属が露出しているので決して外見のいいものではないが,長期間安定して使用できているものが多いことに驚く.連結冠やブリッジで固定を行う前に一度手を止め,その処置が本当に必要か,他に代わる処置はないか,考えていただきたい.もし,歯を切削して行う処置と,全く切削しない処置を比較した場合に効果に大きな差がないとすればどちらを選択すべきだろうか.MI に照らせば明らかである. 顎咬合誌 33(1・2):75-84,2013
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© 2013 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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