日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
インプラントを用いた包括的歯科治療の1症例
——多様な骨造成術による補綴主導型インプラント——
石橋 知代子和田 義行神田 昌巳上林 毅新村 昌弘吉村 治範
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2013 年 33 巻 3 号 p. 202-212

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抄録

インプラント埋入に際して骨量が不足している場合には,様々な骨造成法を用いてインプラントを理想的な位置に埋入し, 審美的にも良好な結果を得る試みが行われてきた.特に,高度に吸収した上顎臼歯部では上顎洞底挙上術による垂直的な骨造成が行われる. しかしこの方法だけでは,歯冠長の延長を招き,審美性,清掃性が損なわれることが多い.一方,皮質骨ブロック移植は,歯槽頂方向への骨量の増大が可能で,その臨床的な予後は良好であることが報告されている.本症例において,我々は上顎臼歯部の萎縮した顎堤に,自家骨移植とソケットリフトを併用しインプラントを埋入した.また術前にシミュレーションソフトを用いて骨採取部位,採取骨量のプランニングを行うと同時に,コンピューターガイディッドサージェリーを用い,全体として手術侵襲の軽減に配慮した治療を行い,長期的に良好な予後を得た.【顎咬合誌33(3):202-212,2013】

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© 2013 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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