抄録
複数歯にわたる歯の欠損や著名な摩耗を生じている症例においては本来の顎位から変位している可能性が考えら れる.そのような場合咬頭嵌合位で修復処置を行っていくか,顆頭安定位を模索して修復処置を行っていくか迷うことが多い.本症例では著明な咬耗が認められ強いブラキシズムが疑われる患者に対して,既存の顎位を検討し顆頭安定位と思われる顎位と大きなずれが認められないことを確認したうえで,患者のライフスタイルや要望に合わせインプラントを用いて咬合の確保を行ったので報告する.【顎咬合誌 34(3):238-244,2014】