抄録
成長期の不正咬合を扱う場合,再発や治療期間の延長を避けるためにも,成長を予測したうえで矯正治療を開始する必要がある.成長発育に関しては,頭部エックス線規格写真(以下セファログラム)を使った研究が数多く紹介されているが,実際の臨床で応用する場合,治療難易度をスクリーニングできる精度と簡便性が求められる.そこで今回,当院に来院した成長期反対咬合患者6 名の側面セファログラムを坂本のプロフィログラムと重ね合わせて下顎頭の位置と上顎の前後的位置について観察し,成長予測と治療の難易度の検討を行った.その結果,成長期反対咬合症例では,平均的なものに近似している症例は治療後の安定が良く,平均的なものと比べて下顎頭が前方に,上顎が後方に位置している症例は治療後の安定性が悪い傾向にあった.成長予測に際しては,平均的なものと比較して,個々の症例の形態的な特徴と将来像を関連づけて予測する手法が有用であると考えられる.