日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
広汎型慢性歯周炎患者に対し歯周組織再生療法を行った1 症例
芳賀 剛芳賀 智子
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2015 年 35 巻 3 号 p. 155-163

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抄録

歯周治療において,進行をコントロールするだけではなく,いったん失われた歯周組織を再生させることができれば理想的な治療に近づく.本症例は,右上が腫れていることを主訴に来院された56 歳の女性である.歯周組織検査にてプロービングデプス(PPD)が6mmを超える部分が複数認められ,広汎型中等度~重度慢性歯周炎と診断した. 垂直性骨欠損を伴う3 2 7 に対し,徹底した歯周基本治療の後,歯の自然移動,歯周組織再生誘導材を用いた歯 周組織再生療法,限局矯正,などの多様な方法により歯周組織の再生を試み,長期安定性の向上を図ったものである.経過観察は3年余りであるが,エックス線所見において,歯周組織の改善と安定が確認できた.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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