著者らは,歯痛・知覚過敏・顎関節症など咬合力による口腔機能障害の疑いのある患者に対し解析装置による検査,咬合採得用簡易スプリントを用いた咬合採得後,継続使用を前提としたスプリント療法による治療成績を報告した(第1 報).生体反応を含む口腔機能障害の発生には,多数の因子が関わり時間経過を要することから長期経過症例などで本療法の考えを補足する.提示するのは初診時年齢が4 歳から58 歳までの10 症例で,従来行っていたスプリント療法を中断した症例も含め報告する.これらの症例から,①軽度の初期症状に対応することの有用性,②成長発育期の咬合育成の必要性などが強く示唆された.