日本看護科学会誌
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総説
医療者のCultural Sensitivityの概念分析
田中 博子荒木田 美香子
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2019 年 39 巻 p. 221-226

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抄録

目的:医療者のCultural Sensitivityの概念を明らかにし,日本における本概念の適用可能性を検討することである.

方法:Rodgersの概念分析アプローチの方法を用いた.2017年までに発行された英語文献44件,和文献4件の合計48件を分析対象とした.

結果:【対象者を理解したいという積極的な思い】,【自文化との差異の自覚】,【文化に関する知識】,【文化の理解】,【文化の尊重】の5つの属性と,4つの先行要件,6つの医療者・対象者の帰結を抽出した.

結論:本概念を,文化が異なる対象者を理解したいという積極的な思いのもと,自文化との差異を自覚し,文化に関する知識を得ることで対象者とその文化を理解し,尊重の態度で文化的差異に向き合う情動的・認知的能力であると定義した.グローバル化が加速している我が国において,本概念は異文化を有する対象者の理解を高める医療者の教育・評価に有用な概念であると考えられた.

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© 2019 公益社団法人日本看護科学学会
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