日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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総説
インプラント周囲疾患とどう向き合っていくか?
佐野 哲也
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2017 年 37 巻 1-2 号 p. 9-

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抄録

インプラント周囲疾患はプラークに起因し発症する.インプラント周囲疾患はインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎に分類される.インプラント周囲粘膜炎の治療において非外科治療は有効である一方,インプラント周囲炎において非外科治療は効果的ではない.それゆえ外科的な介入がしばしば必要となる.いまのところ,インプラント周囲炎に対する最も効果的な治療法は特定されておらず,また治療のプロトコールは存在していない.外科治療を行ったとしても,必ずしも改善するわけではないため,インプラント周囲炎の発症を予防することが最良の治療である.口腔清掃不良,喫煙,歯周疾患の既往はインプラント周囲炎のリスクとなるため,インプラント治療開始前にこれらの因子は改善しておく必要がある.またインプラントの良好な長期的成功を得るために定期的なメインテナンスは必須である.

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© 2017 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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