日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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原著
咬合スコアに関する臨床疫学的縦断調査の分析結果と今後の課題
細川 隆司
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2017 年 37 巻 3 号 p. 200-205

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抄録

本前向き臨床介入研究は,様々な歯科治療介入における口腔関連QOL の変化を127 症例について多施設で臨床疫学的に検討したものである.口腔関連QOL の評価指標として,日本顎咬合学会が開発した咬合スコア[英語による国際表記:Hobo occlusion score (HOS;保母の咬合スコア)]とすでに世界で広く活用されているOHIP(Oral Health Impact Profile)の日本語短縮版であるOHIP-J14 を用い,Wilcoxon signed-rank test を用いて統計処理を行っ た.その結果,咬合スコア(HOS)もOHIP-J14 においても,歯科治療介入の前後で統計学的有意差があり,歯科治療介入によって口腔関連QOL が有意に向上していることが明らかになった.本研究において,すでに口腔関連 QOL の評価指標として有効性が明らかになっているOHIP-J14 を基準として検討した結果,咬合スコア(HOS)は, 妥当性,信頼性ともに優れ,わずか6項目で歯科治療介入の必要性と有効性が検証できるすぐれた口腔関連QOL 評価指標であることが確認できた.【顎咬合誌 37(3):200-205,2017

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© 2017 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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