日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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総説
義歯安定剤の最近の見解と患者指導
村田 比呂司
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2018 年 38 巻 3 号 p. 155-165

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抄録

義歯安定剤は維持,安定の不良な義歯の機能改善を目的として患者自身によって用いられる市販材料である.本剤は義歯床を義歯床下粘膜に固定する方法により,義歯粘着剤[クリームタイプ,粉末タイプ,シート(テープ)タイプ]とホームリライナー(クッションタイプ)に分類される.従来より義歯安定剤に対する見解は否定的であったが,近年,その有用性が種々の研究より報告されている.義歯安定剤のうち,クリームタイプや粉末タイプの義歯粘着剤は,適切な症例に正しく使用すれば,義歯管理や補綴歯科治療に有用な補助的材料であると認識されるようになった.しかしながら,患者の誤使用による弊害も見受けられ,義歯安定剤(義歯粘着剤)の効果を十分に発揮させ,また誤使用を防ぐためには,歯科医師が正しい知識をもち,患者に正しい使用法を教育していくことが重要である.【顎咬合誌 38(3):155-165,2018

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