日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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総説
学童期の不正咬合と姿勢の関連性
福井 和德F山野辺 晋也川鍋 仁
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キーワード: 不正咬合, 顎位, 頭位, 姿勢
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2020 年 40 巻 1-2 号 p. 36-44

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抄録

子どものからだがどこかおかしいと言われはじめた1960 年代より今日に至るまで,その「からだのおかしさ」は解決されるどころか,次第に多くの子どもにみられるようになってきた.とりわけ,「ストレートネック」の言葉に代表される姿勢の問題は,頭部の重心が前に移動してしまうために,頭を首の筋肉だけで支えなくてはならない.結果,筋肉が緊張し,慢性的な首の痛みや肩こりなどの症状が現れる.姿勢が悪いと見た目がよくないだけでなく,子どもの成長や不正咬合,呼吸機能の低下および学力にまで影響が出ることがわかっている.近年,歯科矯正学の分野では,顎と頭位,睡眠時無呼吸,頭,首,肩に生じるいくつかの症状との関係に関心が高まっている. 頭蓋の骨格は頸椎,胸椎および腰椎によって支えられているため,頭の位置は全身の姿勢とある程度の生体力学的つながりを持っている可能性がある. したがって,顎位,頭位,および姿勢を確認することは重要なことである. 【顎咬合誌 40(1・2):36-44,2020

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© 2020 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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