日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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総説
12%金銀パラジウム合金製歯冠補綴装置の代替材料としての CAD-CAM によるCp チタン・チタン合金の利用
和田 賢一黒岩 昭弘
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2020 年 40 巻 3 号 p. 231-

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抄録

近年,パラジウムや金の高騰によって補綴装置の作製コストが上がり,健康保険財政を圧迫している.その対応の一つとして,2014 年に歯科用CAD-CAM システムを用いたハイブリッドレジンによる歯冠補綴が保険収載に導入された.初期には小臼歯部のみの応用であったが,2020 年までには上下顎の第一大臼歯まで適応が拡大された.このようにして金属アレルギー患者への治療や審美的要求,そして高騰する金属材料費への対応としての目的は達成されたが,長期的な対応としてレジンの機械的性質の制約を考慮すると大臼歯への応用は慎重にするべきである.一方,Cp チタンやチタン合金は廉価であり,Type4 金合金と同程度の機械的強度を有する.ゆえに各種補綴装置に関してはこれまでの金合金の経験を活かすことができる.これらの有用性をもとに2020 年の医療機器に係る保険適用として全部金属冠(鋳造)用に純チタンが採択された.しかしながら著者はいまだにチタン鋳造は煩雑で技術依存度が高いと考える.これを解決するには CAD-CAM によってCp チタンやチタン合金による補綴装置を作製することである.誰でも精度の良い装置を安定に供 給する目的でCAD-CAM システムを用いた金属冠としてCp チタン・チタン合金を保険適用とすることを提案したい.

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© 2020 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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