日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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特別寄稿
上顎前歯部の歯槽骨吸収異常症例に連通多孔体 ハイドロキシアパタイト(NEOBONE®)を用いたスプリットクレスト法およびGBR 法を併用した1 例
二宮 嘉昭武知 正晃
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2020 年 40 巻 3 号 p. 213-

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抄録

上顎前歯部の歯槽骨吸収異常症例に,連通多孔体ハイドロキシアパタイト(NEOBONE®)を用いてスプリットクレスト法および骨再生誘導療法(GBR 法) を併用し良好な結果を得たので報告する.患者は59 歳の女性で上顎前歯部の動揺を主訴に当科を受診した. 術を施行した.患者はインプラント治療を希望したが,術後のCT 写真では上顎前歯部に骨量が不足していた.このため,インプラント体埋入前に骨造成が必要と診断し, NEOBONE® と自家骨と血液との混合移植材料を用いて 1 1 部スプリットクレスト法および3 部GBR 法を施行した.十分な骨量が獲得されたため,3 本の骨内インプラ ント体を埋入し,最終上部構造を装着した.上顎前歯部の歯槽骨吸収異常症例に対して,スプリットクレスト法およびGBR 法を併用することは,形態付与および骨補塡材の併用が容易で,他の骨造成と比較し,合併症のリスクが軽減されると考えられた.【顎咬合誌 40(3):213-218,2020

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