日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
基本治療の重要性を再確認した咬合崩壊一歩手前の複雑な症例
清水 太郎
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2022 年 42 巻 2 号 p. 227-234

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抄録

患者は初診時48 歳の男性で7の歯肉腫脹を主訴に受診した.30 歳頃に両側下顎犬歯を歯周病で失い,その後も歯の欠損が続いたものの40 歳頃まで口腔に対する意識は低く,プラークコントロール不良で喫煙者であった.前述の歯の欠損をきっかけに歯列不正が顕著となり,炎症や偏側咀嚼傾向が現れるようになった.プラークコントロールの不良に加えて病的移動による歯列の連続性と適切な咬合関係が失われた結果,臼歯部を中心に咬合性外傷を併発して咬合崩壊を誘発したものと考えた.全顎に及ぶ骨吸収から広汎型重度慢性歯周炎と診断した.生活習慣の改善や口腔衛生指導により,口腔環境を整えたのちに歯周外科手術を行った.また自家歯牙移植や再生療法,限局的矯正治療を行うことで顎位の安定,咬合力の分散化ならびに良好な咬合関係の回復が得られ,SPT を継続することで良好な経過を得られた.

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© 2022 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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