日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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症例報告
ユニバーサルシェードを間接法にて使用した症例
中島 陽次若宮 茂井上 英乙
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2024 年 43 巻 2 号 p. 132-

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抄録

補綴物の色調を天然歯に合わせるためには,歯の構造を模倣することはもちろん,色の三属性である明度(value),彩度(chroma),色相(hue)を合わせる必要がある.色は光が物体に入射して吸収,反射,散乱もしくは透過し,ヒトはそれを色として知覚するが,その見え方は,明度,彩度,色相が相互に関連し特定の色として確認される1).特に明度は視覚的に容易に識別することが可能なため注意が必要である.それら複雑な色調をシェードデータから読み取るのは非常に困難であり,製作者の経験,技術に頼らざるを得ない.しかし,近年,これらの問題を解決すべく天然歯の色調に対してシェードを選ばないユニバーサルシェードの歯科充塡用コンポジットレジンが発売され,注目を浴びている.本来,歯科充塡用コンポジットレジンは直接法を想定しているが,間接法にて従来のCR インレーと同じ方法で製作しても問題ない色調再現性が得られたため,その結果を報告する.【顎咬合誌 43(2):132-137,2024

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© 2024 特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
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