2024 年 43 巻 2 号 p. 138-
歯根破折など,抜歯に至るようなインプラント隣接歯のトラブルは,その後の口腔機能回復を困難にすることが 多い.インプラントに隣接する歯が欠損したとき,インプラントと天然歯の連結は推奨されていないため,一般的にはインプラントの追加埋入,上部構造の再製作(カンチレバー),局部床義歯などから処置法を選択することになるが,今回,前歯部補綴物の離開を主訴に来院し,3 の歯肉縁下での破折と,2 の歯肉縁上での破折とう蝕を認める68 歳の男性患者に対し,3 2 の矯正的挺出・抜歯とともに3 抜歯窩へ2 を移植し,2 の抜歯窩に3 の歯根の一部を移植し,生着した後に修復し,歯列の連続性を回復した.【顎咬合誌 43(2):138-143,2024】