2024 年 43 巻 3 号 p. 266-
不正咬合を呈する混合歯列期小児患者を正しい咬合育成へと導くためには不正咬合に至った経緯を知り原因を除去することが重要である.その方法の1 つとして口腔筋機能療法(MFT)が有用であると考えるが,その可能性と限界を,症例を通して考察した.口腔筋機能療法(MFT)により成果が認められた小児患者には機能や形態以外にも一定の共通点があることが分かった.矯正歯科医学的に正確な診査,診断ができている前提で更に歯科衛生士の立場で多角的な情報収集を行うことが咬合育成における口腔筋機能療法(MFT)の可能性を高める事に繋がると考える.【顎咬合誌 43 (3):266-273,2024】