抄録
近年,日常の臨床で,患者の審美的な要求は高まっており,特に前歯部の治療は患者の審美的な満足度に直結すると考える.我々が歯科治療を行う際,治療対象となる歯だけに注視しがちであるが,歯だけに捉われると顔貌レベルでの審美改善の失敗を招きかねない.顔貌と口腔内の正中線,スマイルライン,口唇と前歯の関係,咬合平面など様々なこと考慮して治療を行う必要があると考える.前歯部の審美不良を主訴に来院された患者に対し,口腔内・口腔外の基礎資料収集により診査・診断を行なった.診断用ワックスアップを基に,歯科技工士とディスカッションを行い,最小限の侵襲でラミネートベニアによる治療を行い,診断用ワックスアップを基に治療を行うことで,患者と最終の治療ゴールを共有し,結果として患者の満足のいく治療を行うことができたと考える.