抄録
訪問診療では患者の負担ができるだけ少ない診察が求められる.このため義歯の調整においては,義歯を咬合器にマウントして人工歯を咬合調整する方法(義歯リマウント調整法)が,咀嚼機能の改善に効果的である.本症例では,訪問診療先において義歯リマウント調整法を用いて,咀嚼機能の改善を達成した高齢者の 1 例を報告する.多くの訪問施設において,適合不良の義歯により咀嚼困難な状態が放置されている現状がある.本症例では,義歯リマウントした調整を咬合器上で行うことで,咀嚼機能の改善が迅速に得られたことを示し,さらに訪問診療における本法の有用性を考察する.