日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
症例報告
下顎インプラントオーバーデンチャーを応用して口腔関連QOL を改善した1 症例
島田 明穂†, 安井 雄一郎, 溝部 健一, 鈴木 玲爾†
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 46 巻 1 号 p. 42-53

詳細
抄録
重度歯周炎を伴い咬合崩壊が生じ,下顎位が不安定な患者に対して,下顎インプラントオーバーデンチャーを応用し,咬合再構成をしたことで下顎位の安定が得られ,患者の口腔関連QOL の改善ができ,良好な結果を得られたので報告する.患者は77 歳の女性.来院1 週間前から右下奥歯が腫れて痛いことを主訴に明海大学PDI 埼玉歯科診療所に来院した.上下顎とも予後不良歯の抜歯後,即時義歯を用いて口腔機能回復を行った.左側方運動時に顎機能障害を認めたため,下顎運動の安定を図るため治療用義歯を装着し,顎運動が改善したことを確認したのち,ガイデッドサージェリーにて2 2 相当部にインプラント体を埋入した.顎機能運動の安定を確認後,上顎はレジン床総義歯,下顎はインプラントオーバーデンチャー(以下IOD)を応用した金属床義歯による最終補綴装置へと移行した.現在,義歯装着後3 年が経過しているが,顎堤粘膜は良好な状態を維持されており,経過良好であった.また,適切な咬合を付与した治療用義歯により,顎運動が改善してゴシックアーチ(GoA)描記路が左右対称になり,下顎位の安定が十分得られ,それに伴い,患者の口腔関連QOL の改善をすることができた.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top