抄録
立体幾何学に基づいて, モンソンの球面の実験的解析を行うための数学的方法を開発し, 須藤らと佐藤らが計測した咬頭の明確な日本人若年者22名の下顎歯列模型上の被計測点の三次元的位置データの左右歯列平均値を用いて, 数学的方法によるモンソンの球面の実験的解析を行った.その結果, モンソンの球面の最も確からしい中心位置は, 切歯点から上方へ90.0~95.0mm, 後方へ15.2mm~14.3mmの範囲内にあり, 最も確からしいモンソンの球面半径の範囲は90.7~95.6mm, その近似精度は約0.25mmであった.