日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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咬頭の明確な日本人若年者の咬合彎曲の実験的解析
―第1報スピーの彎曲とウイルソンの彎曲
阿部 二郎入江 一彦岡部 良博
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1999 年 20 巻 1 号 p. 111-119

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抄録

平面幾何学に基づいて, スピーの彎曲およびウィルソンの彎曲の実験的解析を行うための数学的方法を開発し, 須藤らと佐藤らが計測した咬頭の明確な日本人若年者22名の下顎歯列模型上の被計測点の三次元的位置データの左右歯列平均値を用いて, 作図的方法と数学的方法を併用してスピーの彎曲とウィルソンの彎曲の実験的解析を行った.その結果, スピーの彎曲の最も確からしい中心位置は, 切歯点から上方へ75.0~80.0mm, 後方へ9.8~8.9mmの範囲内にあり, 最も確からしいスピーの彎曲半径の値の範囲は74.2~79.2mm, その近似鞭は約0.11mmであった.第一大臼歯の近心および遠心咬頭, および第二大臼歯の近心および遠心咬頭に対応する4つのウィルソンの彎曲の彎曲半径の値は一義的に定まり, それぞれ503mm, 294mm, 81mm, 116mmと算出された.

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