日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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Slavicek philosophyに基づいたブラキシズムの有用性について
―その自律神経学的検討
増渕 正彦藤岡 一途富田 祐介奥 貴博
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2003 年 23 巻 2 号 p. 165-171

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抄録
ウィーン.大学名誉教授であるR, Slavicekは, ストレスマネージメントとしての夜間ブラキシズムという機能をあげている.しかし, ブラキシズムがストレスマネージメントに関与するという客観的・科学的報告はほとんどなされていない.ブラキシズムがストレスマネージメントに関与するならば, その行為時に交感神経成分の減少, あるいは副交感神経成分の上昇が生じると予測される.そこで今回, われわれはブラキシズムがストレスマネージメントに関与するか否か検討した.
グラインディング運動経路の定量, 定性化と分類は, コンピュータアキシオグラフを用いた.自律神経の評価は, MemCalc法にて副交感神経活動を示すBRSと, 交感神経活動を示す.血圧LF成分を算出した.
正常群におけるグラインディング運動時は, 安静時に比べ血圧LF成分が有意に低下し, BRSは有意に上昇した.一方, 異常群においては, 血圧LF成分が有意に上昇し, BRSは有意に低下した.
正常群のグラインディング運動は, 血圧LF成分の低下と同時にBRSの上昇を惹起させたことから, ブラキシズム (グラインディング) は, ストレスマネージメントに関与することが示唆された.
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