日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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矢状前方切歯路角の変化が下顎頭運動および咀嚼筋活動に及ぼす影響
柿山 洋富三武井 順治清水 真一郎松本 淳花島 美和佐藤 貞雄
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2004 年 24 巻 1 号 p. 66-73

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抄録

上顎前歯舌側誘導路は顎関節構造, 咀嚼筋活動などと相互に関連しながら下顎運動を制御し, 発音, 咀嚼などの口腔機能において重要な役割を果たしている.この誘導面の傾斜角度すなわち矢状前方切歯路角を決定する際には, 矢状前方切歯路角と矢状顆路角 (Sagital condylar inclination) との関係が重要な手がかりとなっている.これまでの天然歯の計測などによる形態学的研究では矢状前方切歯路角はSCIよりも5~10°急峻な角度を有していると報告されている.しかし, 矢状前方切歯路角が生理的にどのような意味があるのか, あるいは下顎運動や筋活動にどのような影響があるのかについては, なお不明な点が多い.McHorrisは, 人為的に与えた急峻な矢状前方路角によって顎関節内障を発現したことを報告している.

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