日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
Online ISSN : 1884-8230
Print ISSN : 1346-8111
ISSN-L : 1346-8111
顎関節症における鑑別診断: 臨床の現場より
正司 喜信
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 25 巻 1-2 号 p. 105-108

詳細
抄録
歯科医師は, 長年にわたり口腔内の健康維持に関与してきた.しかし, 今後将来の歯科医療は単に歯や歯周組織にとどまらず口腔・顎・顔面に生じる疾患や病変の診断と治療・予防について責任を持つものである1) .それらの疾患のひとつに顎関節症があるが, 口腔顔面領域に疼痛を発生させる病態には, 実にさまざまな可能性がある.歯科の日常臨床における疼痛の訴えは, その多くが歯や口腔粘膜あるいは顎関節や咀嚼筋由来のものであるが, 別の器官も疼痛の発生源となり得る.したがって, まずどの器官から疼痛が生じているのかを見極めること, つまり鑑別診断が重要となる.顎関節症と他の口腔顔面領域に発生した疼痛障害をどのように鑑別すべきかを具体的に解説する.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本顎咬合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top