日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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矯正単独で治療を行った下顎骨非対称症例
山添 清文山添 佳奈子山添 清
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2005 年 25 巻 1-2 号 p. 185-192

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抄録

顔面非対称症例の多くは外科的矯正治療の適応となるが, やむを得ず矯.正単独で治療を行わなければならない場合がある.
本稿では, 骨格性下顎骨偏位の認められた12歳の女児の矯正治療について報告する.患者はすでに第一小臼歯が抜去され, 矯正装が装着されており, 転居に伴う転医により来院した.骨格性の下顎骨/扁位が著しいため外科的矯正治療の適応と考えられたが, 患者の同意が得られず, 歯の移動のみで校合を改善することとなった.
動的治療後, 骨格性の問題は解決されなかったが, 容認できる咬合状態が得られ, 保定中もほぼ安定していた.
本症例のような骨格性偏位症例は, 成長に伴い骨格的な問題が増悪する可能性があり, 治療開始前の診断および慎重な治療.方針の検討が重要と考えられる.

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