日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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Q.O.L.を高めるための審美歯周矯正
山地 正樹山地 良子
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2005 年 25 巻 1-2 号 p. 193-202

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抄録
我々臨床家が歯科治療において目指すのは, 単に疾病を治療するのみではなく, 治療後の状態を持続させることである.それらは, 結果として患者の健康増進に寄与し, ライフステージにおけるQ.0.L.を高めることにつながる.
近年成人矯正が増加する中で, 歯周, 審美を考慮した治療が求められる.歯周病や欠損歯列では, 歯牙が移動し, 顎位が偏位しやすくなるため, 咬合崩壊へとつながる場合がある.咬合再構築のためにも歯牙移動が求められる.
矯正治療を行うにあたり, 形態や審美が改善しただけでは十分とは言えない.そこに機能の裏付けがなされて初めて保定やメインテナンスがしやすくなる.歯周病や咬合崩壊の原因を顎運動や発語等の機能から探り, それらを改善することが咬合の安定につながると考えられる.
よい形態がよい機能を作り, よい機能がよい形態を作る.それらは顔の表情のみならず患者の精神状態まで変え、全身の健康によい影響を与えQ.0.Lを向上させる.
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© 特定非営利活動法人日本顎咬合学会
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