日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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矯正学的な咬合再構築における現状と問題点
第3報: 顎関節内障症例
渋澤 龍之中山 真由子森田 明子槇 宏太郎
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2006 年 26 巻 3 号 p. 310-318

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抄録

顎関節症状を有する不正咬合患者の中には疼痛, 開口障害だけでなく顏貌の非対称を主訴とするものも数多く経験する.このような患者に対して咬合再構築を行う場合, 下顎位の設定には苦慮することが多い.とくに顎関節円板の転位が認められた場合, 臨床症状をともなわなくとも病態の進行により顎変形症の後天的要因となり得るばかりか, 矯正治療を困難なものとし治療後の安定性を大きく左右する可能性がある.したがって, 長期に安定した予後を得るためには下顎頭に対する負荷の軽減と均一化につながる安定したものが求められる.
今回, われわれは顎関節内障症例において円板の整復を試みた。その結果, 顏貌の変化および下顎位の安定が得られたのでその概要を報告する.

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