日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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26 巻 , 3 号
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  • 須藤 純
    2006 年 26 巻 3 号 p. 232-237
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    現在では, インプラント治療は有効な臨床術式として確立し, 欠損補綴の第一選択肢となってきている.本症例は, 経年的に臼歯部の喪失によりバーティカルストップが失われ, 咬合崩壊に至る直前にインプラント補綴を行うことで咬合崩壊を免れた症例である.一口腔単位での治療は, 理想であるが同意が得られなかったものの, 咬合関係に問題がなかったので部分的に進めていった.経年的な欠損歯列にインプラント補綴を追加することで残存歯の保存, 咬合関係に問題が生じることなく患者のQOLの向上につながった.
  • 輿石 大介, 城内 朝子
    2006 年 26 巻 3 号 p. 238-243
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    歯周治療は感染およびリスクファクターの除去など, 診査診断・治療計画からはじまり, 治療そしてメインテナンスという流れが一般的である.治療計画の段階で予後不良と判断した歯については抜歯の選択をしなければならないが, 患者さんに歯を失いたくないという強い気持ちがあると治療計画の変更を余儀なくされる.もし患者さんの希望が治療計画にうまく組み込めないと, 患者さんの治療への参加意欲は半減し, 医療者主導になり予後に悪影響を及ぼしかねない.歯を残そうとする努力を患者さんと医療者が共にすることで, その結果に関わらず患者さんは納得し, 患者さん自身が自分の歯を守るにはどうすれば良いかを考えてくれるようになるのではないか.
  • 吉松 宏泰
    2006 年 26 巻 3 号 p. 244-251
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    根管治療, 支台築造を含め最近ではファンデーションレストレーションズという, 修復物の下地という考え方になってきた.
    根管治療もいくつものニッケルチタンファイルが開発され, マイクロスコープの導入により根管治療の成功率も向上した.しかし一方では, コロナルリーケージ (歯冠側からの漏洩) による根管充填後の根管の汚染が問題視されている.
    今回はファンデーションレストレーションズの根管充填を中心に報告をする.また, いまだ日本では普及したとはいえないマイクロスコープを用いた歯内療法 (マイクロエンド) に役に立つ器具も報告をする.
  • 吉田 拓志, 内田 剛也
    2006 年 26 巻 3 号 p. 252-259
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    オッセオインテグレーテッドトインプラントの長期的な予知性が証明され, インプラント治療は予知性の高い治療法として認知されている.さらにインプラント治療を行なうにあたり, 機能性のみならず, 審美性についての要求も患者から高まってきている,
    そのようなインプラント補綴を行うには診断用ワックスアップに基づいた適切な診断用テンプレート製作をしたうえで, 診断・治療計画を立てる必要がある.
    今回, 上顎多数歯欠損症例のインプラント補綴治療を, 治療義歯で得られた情報を用いた診断用テンプレートの製作の手順を提示し, 報告する.
  • ―上顎洞底挙上術をより安全に行うために―
    柳 智哉
    2006 年 26 巻 3 号 p. 260-265
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    口腔インプラント治療における上顎洞底挙上術は, 骨の乏しい上顎臼歯部での補綴主導型の治療計画において必要不可欠な処置である.現在, 上顎洞底挙上術を行った術後良好な口腔インプラント長期予後症例も多数報告されているが, 上顎洞の解剖学的構造は, 従来のX線検査に用いられたオルソパントモなどから3次元的に理解することが難しい症例が存在し, 術前にCTを応用した検査が必要である場合が多い.今回は, CTにより得られたデータによって作製した3次元顎骨モデルを用い, 術中の指標となる骨上ステントを作製し, 上顎洞内に隔壁の存在する症例や術部に上歯槽動脈分岐血管を有する症例に対し, 安全に上顎洞底挙上術を行った症例について報告する.
  • 陳 柏堅, 賀 台萍, 林 協興
    2006 年 26 巻 3 号 p. 266-271
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    There is much variation in the terminology for Sinus Augmentation in the literature. It has been known as Maxillary Sinus Elevation, Maxillary Lift, Maxillary Sinus Augmentation, and Subantral Augmentation. No matter what its name, Sinus Augmentation is the surgical procedure when the floor of the sinus is low and the sinus membrane needs to be lifted up in order to gain sufficient bone height for implant placement.
  • 岡永 覚
    2006 年 26 巻 3 号 p. 272-277
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    歯科医学の分野において, 長年に渡り咬合器を使い口腔外でヒトの下顎運動を再現する研究がなされてきたが, 咬合器上にヒトの生理機能を再現するのは難しく, 臨床上トラブルが多いという指摘もある.
    筆者の経験でも, 顎関節症患者において生理的下顎運動を咬合器上に再現するのはきわめて難しい.顎関節症患者の多くは, 顔面および頸・背部の筋肉の緊張と圧痛を認め, 筋肉間のバランスが崩れ, 下顎の運動障害を抱えている.そのような患者に対して, スプリントや咬合調整などの治療のほかにカイロプラクティックなどの理学療法を併用すると, 下顎運動が変化してくる。このように下顎位が定まらない患者において, 咬合器上に生理的下顎運動を再現することは無理である.まず, 筋肉の緊張を取り除き, 筋肉問のバランスを回復させることから始め, 下顎運動の安定化を確認してから下顎の位置を決めたうえで咬合器に下顎の歯型模型を付着しないと, 咬合器上に生理的下顎運動を再現することはできない.
  • ―その1開口障害への対応―
    石幡 伸雄, 野村 義明, 水谷 紘
    2006 年 26 巻 3 号 p. 278-283
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日常の臨床において, 顎関節症はいまだに手を出しかねる難しい疾患である.しかし, かみ癖の視点から顎関節症に対応すると, きわめて良好な結果が得られる.この論文では, かみ癖の視点について解説をするとともに, かみ癖の視点からの開口障害の対処法について症例を提示する.
  • 藤井 和重, 波多野 泰夫, 新谷 明喜
    2006 年 26 巻 3 号 p. 284-292
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日本顎関節学会の分類では顎関節症III-b型は顎関節症のうちで開口制限が著明な病型である.治療成果を治療前の時点で推計できることは今日の歯科治療においてきわめて重要といえる.顎関節症の予後予測に関する情報は限られている.III-b型の場合にも治療者は現実に種々な検査をおこなっている.本研究ではIII-b型に分類される患者30人を用い, 各診査データと, 治療期間や治療後の開口量などとの相関関係を調査した.年齢と性別の影響を取り除いた偏相関係数で評価した.個別の生活指導, マニピュレーション, 開口訓練の3者すべてを応用した.
    その結果, 治療期間にはCMIのカテゴリー, 咬合の不安定感, 外側翼突筋および内側翼突筋の圧痛の情報が重要なことが判明した.CMIのカテゴリーと咬合の不安定感を説明変数とする重回帰式を求めたところ重回帰係数はR=0.675, 調整済みR2乗値は0.414であった.開口量については咬筋とオトガイ孔部の圧痛に相関が認められた.しかしながら, 治療前のデータから治療後の開口量の絶対値を求める精度は低かった.開口量の変化量に関しては治療前の開口量と明確な負の相関が認められた.また, 後頸部に圧痛を認めた患者ではこの変化量が小さかった.
  • 大野 綾子, 布瀬川 和恵, 牧 宏佳
    2006 年 26 巻 3 号 p. 293-296
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    皆さんは, 患者のモチベーションを上げるために, さまざまな工夫をされていることだろう.しかし, 実際の臨床においては, 歯周治療は思い通りに進むとは限らない.歯周病という言葉は, メディアを通じて一般の人に認知されているように思われがちだが, どの程度理解されているのかはわからない。
    そこで, 今回は歯周病の認識度, モチベーションが上がったきっかけ, 今後のセルフケアにおける患者の生の声を知るために, アンケート調査を行った.調査結果から, 歯周治療に対する患者の本音を知ることができたので, その結果を報告する.
  • 星河 晴美, 綾野 通哉, 渡部 康子, 出縄 かおる, 佐藤 公美子, 山中 みふね, 及川 美妙子, 小沢 季子, 中村 昭二, 松久保 ...
    2006 年 26 巻 3 号 p. 297-303
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    通常, ペリオ由来のフィステルが発症した場合は, 外科的処置や薬物投与によることが多いが可能ならばこれらの処置は最小限にしたいものである.そこで歯科医師の指導下, 歯科衛生士業務の範囲内において, 非麻酔下でフィステルおよび歯周ポケットからプラスチックプローブを挿入しフィステルの発現部位を診査したところ, 双方一致するゾーン (PFゾーン: ポケット・フィステルゾーン) の存在が判明した,
    さらに, フィステルおよび歯周ポケットからプラスチックプロービングを行なった後, 改良した既製のインストルメントをPFゾーンに挿入し, スケーリング・ルートデブライドメント・イリゲーションを行なった.その結果, 難治療であったペリオ由来のフィステルが容易に改善し, さらに原因歯を失活させることなく「骨再生」も生じた.これらのことから, PFゾーン法によるペリオ由来フィステルへの臨床的有効性を確認した.このPFゾーン法は何よりもプラスチックプローブの使用が重要なポイントとなる.
  • 丸山 大輔
    2006 年 26 巻 3 号 p. 304-309
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    歯冠修復の際, 前歯の大きさ, バランスの取り方は, 歯科技工操作においてもっとも重要でしかも最大の関心事である.その際に基本となるのは歯の解剖学的形態の参考だが, 今回は古代ギリシャ以降何世紀にもわたり人々の美的感覚を魅了してきた「黄金分割 (比率) 」の歯科審美修復への応用について解説する.
  • 第3報: 顎関節内障症例
    渋澤 龍之, 中山 真由子, 森田 明子, 槇 宏太郎
    2006 年 26 巻 3 号 p. 310-318
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    顎関節症状を有する不正咬合患者の中には疼痛, 開口障害だけでなく顏貌の非対称を主訴とするものも数多く経験する.このような患者に対して咬合再構築を行う場合, 下顎位の設定には苦慮することが多い.とくに顎関節円板の転位が認められた場合, 臨床症状をともなわなくとも病態の進行により顎変形症の後天的要因となり得るばかりか, 矯正治療を困難なものとし治療後の安定性を大きく左右する可能性がある.したがって, 長期に安定した予後を得るためには下顎頭に対する負荷の軽減と均一化につながる安定したものが求められる.
    今回, われわれは顎関節内障症例において円板の整復を試みた。その結果, 顏貌の変化および下顎位の安定が得られたのでその概要を報告する.
  • 河奈 裕正
    2006 年 26 巻 3 号 p. 320-321
    発行日: 2006/11/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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