文化経済学
Online ISSN : 1884-2208
Print ISSN : 1344-1442
文化産業論序説
山田 浩之
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2002 年 3 巻 2 号 p. 1-7

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抄録
文化産業の定義をはっきりさせ、その範囲を明確にすることは、文化経済学の研究対象とも関係して重要な課題であるが、未だ十分に考察されていない。本論文はこの課題に答えようとするものであるが、まず、文化産業の文化及び産業概念の検討が行われ、さらに従来の文化産業論へのアプローチやその分類が紹介される。次いで、文化活動の意義は創造性にあることを踏まえて、種々の文化活動は、創造性-再創造性 (娯楽性) の軸と感性-知性の軸からなる二次元上に位置づけることが可能であり、それによって、芸術、学術・出版、ゲーム、娯楽・生活文化の4グループに分類される。この文化活動に対して、それと前方連関関係にある文化支援産業と後方連関関係にある文化利用産業が存在することを指摘して、これら全体が広義の文化産業を構成する、と考える「文化産業のリンケージ・モデル」が提示される。
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