2003 年 3 巻 4 号 p. 19-25
大恐慌時に大統領に就任したフランクリン・ローズベルトはいわゆるニューディール政策を展開した。日本では1933年からの第一期ニューディール政策はよく紹介されている。1935年に始まる第二期ニューディール政策では、雇用促進局 (WPA) を中心に連邦美術プロジェクト、連邦演劇プロジェクト、連邦音楽プロジェクト、連邦作家プロジェクトなどの芸術・文化政策が展開された。これらの政策は日本ではほとんど紹介されたことはない。本論文では、不況期の財政政策として社会資本整備の公共投資だけではなく、文化資本整備とも言うべき芸術・文化政策が存在していたことを紹介し、現在の日本の芸術・文化政策、景気対策へのヒントとしたい。