2010 年 36 巻 1 号 p. 95-98
在来の落葉性高木類6科8種の種子発芽率を,屋外のポット試験にて測定した。その結果,オニグルミ,サワグルミ,ミズキでは,既往文献と概ね同様の発芽率を示した。タムシバの発芽率も既往文献と概ね同様であったが,2~3年目の春播きでも比較的高い発芽率を示したことから,発芽率を維持したままの種子貯蔵が可能と考えられた。乾燥によって発芽率が低下するといわれているホオノキとキハダの取播きでは,既往文献と比べ低い値を示したことから,試験時の水分状態が大きく影響した可能性が考えられた。アベマキとムクノキでは,種子を貯蔵する場合に,種子含水率をそれぞれ40 %程度,15~24 %に保つことで,高い発芽率を維持できると考えられた。