日本地域看護学会誌
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Print ISSN : 1346-9657
住民組織活動が地域づくりに発展するための保健師の支援内容の特徴
中山 貴美子
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2009 年 11 巻 2 号 p. 7-14

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抄録

目的:本研究の目的は,住民組織活動が地域づくりに発展するための保健師の支援内容の特徴を明らかにすることである.方法:対象は,ヘルスプロモーション先進5地域における,住民組織活動が地域づくりに発展する過程と保健師による支援内容である.調査は,半構成的面接法によるインタビュー調査を行った.結果:住民組織活動が地域づくりに発展する過程は,過程I「活動準備期」,過程II「活動意思決定期」,過程III「活動開始期」,過程IV「主体的活動期」,過程V「地域展開期」がみられた.住民組織活動が地域づくりに発展する各過程における保健師の支援内容は,81サブカテゴリー,37カテゴリーが抽出された.その内容は,「住民の思いを把握する」「新たな住民組織をつくる」「組織運営を支える」「活動の継続を支える」「活動困難時に相談にのる」等であった.また,住民組織活動が地域づくりに発展する全過程における保健師の支援内容は,31サブカテゴリー,12カテゴリーがみられた.その内容は,「住民との信頼関係を維持する」「住民の主体性を引き出す」等であった.考察:保健師の支援内容は,地域の中で協働できる人材や住民組織を決定するという特徴がみられた.また,保健師の支援内容には,住民組織への直接的な支援のみではなく,行政内で住民参加のしくみをつくるなどの行政への働きかけの内容を含むという特徴がみられた.

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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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