日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
市町に勤務する新任保健師の職務満足感とその関連要因の検討 : メンタリングの受け止め,個人的要因および組織的要因に焦点を当てて
浅野 神奈和泉 比佐子片倉 洋子波川 京子
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2009 年 11 巻 2 号 p. 15-24

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抄録

目的:市町に勤務する新任保健師の職務満足感とメンタリングの受け止め,個人的要因および組織的要因との関連を検討すること.方法:経験年数2〜5年目の新任保健師756人を対象に,郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した.質問紙の回収数は312人(回収率41.3%)であり,226人(有効回答率29.9%)を分析対象とした.調査項目は,職務満足感尺度14項目,メンタリング尺度42項目,個人的要因13項目(個人属性,職務属性,職業背景,自己啓発等),組織的要因24項目(組織の概況,現任教育体制,労働条件,メンターの存在等)であった.分析は,職務満足感を得点の中央値で高群と低群に2分し,メンタリングの受け止め,個人的要因および組織的要因の各項目とχ2検定またはt検定を行い,関連がみられた項目とロジスティック回帰分析を行った.結果:職務満足感が高いことと有意な関連がみられた項目は,「メンタリング尺度の得点が高い」(OR;4.57,95%CI;2.38〜8.76),「1週間あたりの時間外勤務時間が少ない」(OR;1.75,95%CI;1.17〜2.61),「所属部門保健師数が多い」(OR;1.28,95%CI;1.05〜1.55)であった.考察:市町に勤務する新任保健師の職務満足感には,メンターからの支援を認識できることが重要であり,メンタリングの重要性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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