日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
障がい者と関わるボランティアの充実感に影響を与える要因
北山 明子大西 章恵河野 啓子
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2009 年 11 巻 2 号 p. 25-30

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抄録

目的:本研究は,保健師のボランティア支援の一助とするために,障がい者と関わるボランティアが活動を通して感じる充実感に影響を与える要因を明らかにすることを目的とする.方法:北海道内の保健医療福祉機関に登録し,「障がい者の活動」に参加しているボランティア396名を対象に自記式質問調査を行った.260名(65.7%)から回答が得られ,そのうち244名を解析対象とした.ボランティア活動に対する充実感を充実感尺度で測定し,充実感に影響すると考えられる要因を,「個人属性」「ボランティア経験」「ボランティア動機」「病気の知識」「障がい者との接触体験」「視野の広がり」「情緒的サポート」「負担感」の8つの枠組みで構成した.充実感を従属変数とし,8つの枠組みから導いた要因29項目を独立変数として,重回帰分析を行った.結果:障がい者と関わるボランティアが活動のなかで感じる充実感に影響を与えていた要因は,大きい順に挙げると「障がい者観の変化」「年齢」「金銭的負担感」「病気の知識に対する自信」など,全部で10要因であった.結論:ボランティアの充実感に最も影響を与えていたのは「障がい者観の変化」であり,充実感を高めるためには,障がい者観の変化につながるよう障がい者との相互交流を促す支援が最も重要である.

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© 2009 一般社団法人 日本地域看護学会
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