日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
1歳7カ月児養育者における出生順位別にみたパートナーとの協力と養育状況の分析
西嶋 真理子大野 美賀子矢野 知恵井出 彩子
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2011 年 13 巻 2 号 p. 69-76

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抄録
目的:1歳7カ月児の主養育者の育児やパートナーとの協力の状況から家族支援に関するアセスメントの手がかりを得ることである.方法:A市における1歳6カ月児健診対象者の主養育者743名を対象に無記名の自記式質問紙を郵送し,そのうち241名を分析対象者とした.出生順位別に自身の健康管理状況,パートナーとの協力状況,養育態度における潜在的虐待リスクを分析し,比較検定にはχ2検定,Kruskal Wallis検定を用いた.結果:出生順位別にパートナーとの協力状況,養育態度における潜在的虐待リスクに有意差がみられた.第1子はパートナーとの協力関係が高く,出生順位が下がるほどパートナーとの関係が良好な層と保ちにくい層に分かれる傾向がみられた.養育態度は,第1子は「力に頼らない育児態度」と「自己肯定感を育む養育態度」において有意にリスクが低く,第3子以降は,「自己抑制を教える養育態度」のリスクが低い傾向がみられた.パートナーとの関係と「自己肯定感を育む養育態度」には正の相関がみられた.結論:良好な養育態度維持に向けて,第1子の時期から肯定的な養育態度を認めながら,パートナーとの関係も視野に入れて,養育者自身の健康支援や子どもの成長に応じた家族支援の必要性が示唆された.
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© 2011 一般社団法人 日本地域看護学会
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