日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
訪問看護師から遺族訪問を受けた遺族の経験
平賀 睦
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2012 年 14 巻 2 号 p. 113-121

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抄録
目的:本研究は,遺族訪問における訪問看護師の役割を検討するため,訪問看護師から受けた遺族訪問の状況を,遺族自身がどのように認識し意味づけているか,経験を明らかにすることを目的とした.方法:訪問看護師から遺族訪問を受けたことのある17人の遺族を対象に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.結果:遺族は訪問看護師による遺族訪問において7つに集約される状況を認識しており,その状況認識から【訪問看護師との人としてのつながりの再認識】【こころの安定化】【介護生活への区切り】【これからの生活へ前向きに臨む気持ちの獲得】という意味づけを行っていることが明らかとなった.考察:遺族訪問を行う訪問看護師には,遺族を気遣うことで介護生活に対する否定的な思いを肯定的に捉え直すこと,情緒的・社会的支援を行うこと,介護に関するものの清算をしたり感謝の言葉を真摯に受け止めることを通して,遺族のこころの整理を促し,これからの生活への橋渡しをする役割があることが示唆された.
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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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