日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
看護大学の学部教育における感染予防対策
豊島 泰子今村 桃子鷲尾 昌一彌永 和美
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 15 巻 1 号 p. 144-149

詳細
抄録

目的:看護大学の学部教育における在宅看護論での感染予防教育の現状および在宅臨地実習時の学生の感染管理の実態を調査し,在宅看護論における感染予防教育について検討する.方法:2009年4月の時点で,日本看護系大学協議会加盟の182大学教育機関の在宅看護論の教育担当責任者を対象に,無記名のアンケート調査を行った.内容は在宅における感染予防教育の有無,時間数,教育内容,臨地実習における感染症予防対策と新型インフルエンザ対策であった.結果:182大学中69大学から回答が得られた(回収率37.9%).71.0%の大学が在宅における感染予防教育を行い,24.6%は在宅看護でそれを行っていた。在宅の感染予防教育の講義時間は2時間が最も多かった(28.6%).その教育内容は,「在宅感染予防対策(感染経路など)」24.6%,「在宅における感染症」21.7%等についてであった.臨地実習前に学生の感染症予防対策として教育される感染症は,75.4%の大学が「インフルエンザ」と最も多く,ついで「結核」「MRSA」「肝炎」「疥癬」「ノロウイルス・ロタウイルス」等であった.実習前には7割以上の大学で風疹,麻疹,水痘,インフルエンザのワクチン接種を勧告しており,ほとんど(97.1%)の大学で新型インフルエンザの対策が講じられていた.結論:インフルエンザを含む感染症教育は看護大学での在宅看護教育上重要な課題のひとつであると考えられた.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事
feedback
Top