日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
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スピリチュアリティ評定尺度(SRS)によるスピリチュアリティに影響を及ぼす要因の検討 : A県内の訪問看護師を対象として
湯本 理子佐藤 悦子
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2012 年 15 巻 2 号 p. 73-80

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抄録
目的:本研究は,スピリチュアリティ評定尺度(SRS)を用いて,A県内の訪問看護師のもつスピリチュアリティに影響を及ぼす要因を明らかにすることである.方法:A県内の全訪問看護ステーション40か所の訪問看護師244人に対し,無記名自記式アンケート調査を実施し,183人から返信が得られ,うち回答に欠損のない173人(有効回収率70.9%)を解析対象とした.調査項目は,訪問看護師のもつスピリチュアリティをスピリチュアリティ評定尺度(SRS)を用いて測定した.先行文献より抽出されたスピリチュアリティに影響が想定される要因11項目との関連についての分析はt検定,多変量解析は数量化I類によった.結果および考察:平均年齢は44.0歳(±7.8),訪問看護師の経験年数は7.7年(±5.6)であった.訪問看護師としてのスピリチュアリティの平均得点は46.8点(±8.7)で正規分布に近い分布を示した.スピリチュアリティに影響を与えていると思われる11項目との関連は,多変量解析の結果,最も影響していた項目は「スピリチュアリテイに関心がある」「(スピリチュアリテイの)研修会に参加したことがある」であった.本研究において,スピリチュアリティに影響していたものは,「年齢」や「経験」ではなく,訪問看護師のスピリチュアリティに働きかけていくためには,それへの関心と学習の機会が重要であるといった示唆を得た.
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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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