2013 年 16 巻 2 号 p. 55-62
目的:継続的に養育支援が必要な家族への保健師の具体的な援助内容を明らかにする.方法:継続的な養育支援を実施し,問題解決あるいは支援を終結した事例をもつZ県市町の中堅期以上の保健師8人を研究参加者とした.インタビューガイドに基づく半構造化面接を行い,援助の実際について意味内容に留意しながら分類・整理し,カテゴリーを抽出した.結果:養育支援が必要な家族への保健師の援助内容は,3つに分類された.『母親への援助』11カテゴリー,『子どもへの援助』1カテゴリー,『家族への援助』3カテゴリー,の計15カテゴリーであった.具体的な援助内容は,育児相談,看護ケア,指導・助言,社会資源の紹介などであった.考察:保健師は,対象の健康問題の解決・改善のために,家族の健康問題に対応した援助,家族成員の関係性向上の援助,家族の社会資源利用の援助を行っていたと考える.それらは,相談,保健指導,教育的支援,社会資源の調整であり,対象家族のセルフケア能力を高める援助であったといえる.今回明らかとなった保健師の援助内容は,継続的な支援が必要な家族に対応する際の保健師の活動指針と評価の一助になると考える.